高卒求人ニュース4月「高校生の就職~2011を予想する~」
今年度を予想する
「2011年春 企業の採用計画は?」
2011年春の新卒採用計画(大学、大学院、短大、高専、専門学校、高校)についてのアンケート調査記事」によると、2010年春よりも採用数を「減らす」とした企業が前年調査の41社から17社に減少したものの、「増やす」は14社(前年7社)にとどまり、「前年並み」が44社と半数近くを占めた。
3月12日に厚生労働省が1月末現在の高校生の就職内定状況を発表した。
予想通り、求職者16万1333人に対して内定者は13万912人にとどまり、内定率は81.1%(全国平均)で前年同期より6.4ポイント減少した。最近の10年間でみると5番目の低さだが、前年からの下げ幅は過去最大となった。
【高校新卒者の都道府県別求人・求職・就職内定状況(平成22年1月末現在)】
(注)求職者数とは、学校又は公共職業安定所の紹介を希望する者のみの数であり、就職内定者数とは、学校又は公共職業安定所の紹介によって内定した者のみの数である。
※厚生労働省 平成22年3月12日付け報道発表資料より
最も深刻な沖縄県では、52・3%の内定率で、就職希望の生徒のおよそ半分は年明け1月末の段階でも就職先が決定していないといった状況だ。
2月の労働経済動向調査によると、新規学卒者について「採用内定あり」とした事業所の割合で前年を上回ったのは金融・保険業だけと、2010年度に関しては、厳しい状態が続いてしまった。
その状況にともなって、神奈川県では今春卒業で就職が決まっていない県内在住の高校生のために、4月から緊急雇用対策として、県立高校で教職員を補助する「スクール・アシスタント」の制度を始め、1年間で100人を雇用する。
また、仙台市では4月、就職が決まらないまま卒業した高校生に半年間、有給で就労体験の場を提供する「チャレンジサポート事業」を始める。
企業が高校新卒者と合意すれば、期間終了後に正社員として採用できるという。
このように、各都道府県では、生徒が進路未決定のまま卒業してしまうことを防ぐ対策が促進されている。
3月の各報道の「主要100社を対象に2011年春の新卒採用計画(大学、大学院、短大、高専、専門学校、高校)についてのアンケート調査記事」によると、2010年春よりも採用数を「減らす」とした企業が前年調査の41社から17社に減少したものの、「増やす」は14社(前年7社)にとどまり、「前年並み」が44社と半数近くを占めた。
採用が「未定」の企業も24社(同18社)あり、景気を慎重に見極める企業が増えていることもわかった。
リーマン・ショックで就職氷河期の再来と言われた2010年春同様、企業の採用意欲は依然低く、厳しい就職戦線になる予測である。
採用削減で目立つのは、国内販売が落ち込む自動車業界や、消費低迷で苦戦する百貨店業界。
現段階で、こういった業界を目指している生徒の方は、志望業界を広げておくことも大切なこととなる。
この現実をふまえ、昨年に引き続き厳しい求人状況になるので早速4月から準備が必要になるだろう。
2011年春入社も2年連続で抑制が続くことになり、就職は「狭き門」となりそうだ。