~世界中でおおさわぎ~「金融危機」って僕たちに影響あるの?
高校生の就職試験対策!【5分で覚える時事問題】シリーズ!!
■Part01 [~世界中でおおさわぎ~金融危機って?]■
キーワード:【金融危機】【サブプライムローン】【リーマン・ブラザーズの破綻】【貸し渋り】【世界同時株安】
一連の金融危機は、昨年夏頃、サブプライムローン問題がアメリカ国内で表面化したことに端を発します。まずこれを押さえておかなければ!
サブプライムローンとは米国(=アメリカ)の住宅ローンの中で、特に所得(収入)が低い人向けのローンのこと。
収入が低い人がたくさんお金を借りれば、返せなくなる危険も高いですよね。
でも、米国は当時景気が良く、住宅は売れ続けていましたから、数年前からどんどん値上がりを続けていたのです。銀行は「もし払えなくなったら家を売って借金を返せばいい」「今買った方が得だよ!」と言ってどんどんお金を貸しました。
米国の銀行や証券会社などの金融機関は、この「ローンの権利」を金融商品として世界中で売買していました。
しかし住宅の需要も落ち着き、去年の夏頃急に値下がり、とうとう住宅バブルがはじけました。もう家は高く売れません。
そして、銀行の手元には「返して貰えるか分からないローンの権利」が残りました。いわゆる不良債権です。
米国大手証券会社「リーマン・ブラザーズ」は、売れなくなったこの権利をたくさん所有していました。六〇兆円もの損失を抱え、とうとう9月に経営破綻してしまいました。
一五〇年以上続く米国で四番目に大きな証券会社まで潰れ、株を売り買いしている世界中の投資家も慌てました。「どこがどれだけ損をしたのかわからない」という疑心暗鬼状態に陥った投資家は、「危なそうな会社の株は今のうちに売ってしまおう!」と考えます。このため米国の会社の株の値段が下がりました。
また、この問題で損を抱えた銀行は、当然お金を貸し渋り始めました。
その結果、苦しくなるのは銀行だけではありません。
会社は必要なお金も借りられなくなり、経営が苦しく、労働者のお給料も上がりません。潰れてしまう会社も出てきます。
収入が減るとみんな物を買わなくなります。物が売れなくなれば会社の業績は下がり、失業する人も増えますね。そしてアメリカの会社がもうからなくなると、日本の会社ももうからなくなくなります。
世界の投資家が損をするのを恐れ、株の売りが急増し、同じように日本の会社の株もヨーロッパの会社の株も下がりました。
これが世界同時株安です。
負の連鎖で世界中の経済が打撃を受けています。
これは、小学生のお小遣いからみなさんの就職活動にも全て影響があること。
これから社会に出て行くみなさんも、今、日本や世界の景気がどういう状況にあるのか、知っていて損はないと思います。